腕時計喫茶

「微妙」な時計を愛してる

銀座「並木通り」を歩けば(オリジナルマップ付き)

 石原裕次郎さんと牧村旬子さんのデュエット曲「銀座の恋の物語」によると、心の底までしびれがきて、吐息が切なくなってくるのが「銀座」という街だそうです。何のことか解りませんか?1961年のヒット曲からの引用ですので、私にもさっぱり解りません(;´Д`)

 

 私が一番銀座を利用していたのはバブル崩壊の直後くらいでしょうか?学生時分にも文房具や画材を買う目的で銀座に行くことはありましたが、本格的に銀座を使うようになったのは95年辺りだったと思います。仕事が軌道に乗って一端のクリエーターになれたと「勘違い」していた頃でもあります。

 良くも悪くも「お金持ちの街・銀座」です。お金がないとウインドウショッピングすらしんどいのが現実。バブル前後には、ジーンズ履きだと入店を断られるお店も沢山ありました。今思えばそういう「敷居の高さ」も、銀座という街の「格」を作っていた要素だったと思いますね。

 洋服や高級筆記具、もちろん腕時計も買いました。しかし銀座をして「腕時計の街」というような印象は特にありませんでした。確かに高級ブランドが軒を連ねてはいました。けれど「腕時計を買うなら銀座で!」みたいなものは、私の意識の中にはなかったと思います。

 

 

 

 そんな銀座の一角がいつのまにか「腕時計街」とでも形容すべき変容を遂げていました。今まさに気になるお店が一堂に会し、腕時計好きにとってはまるで夢のようなエリアが広がっているのです。

 実際に自分の脚で歩いてみるまでは「それほど」エラいことになってるとは思っていませんでした。せいぜい慣れ親しんだ大阪は「心斎橋界隈」みたいなものだろうと高をくくっていたのです。心斎橋をぐるっと歩けば、そこそこ有名所のブランドが集まってましたしね。

 けれど、それは大間違いでした。やっぱり「銀座は銀座」でした。もう、高揚感が段違いなのです。関西人としては悔しいけれど、潔く負けは認めなければなりません。

 特に、腕時計好きが注目せねばならないエリアが「並木通り界隈」でしょう。大して広くもないせせこましい通りなのですが、腕時計好きなら胸躍るブランドが、それこそギューギューにひしめいているのです。

 てなわけでワタクシ「地図」を作りました。皆さまのお役に立つか解りませんが、必要最小限の情報だけ入れて、迷わず目的のブティックへ赴けるようにしたつもりです。特に銀座からの出口はややこしいので、近い場所だけ示してあります。

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銀座並木通り ブティックマップ(腕時計喫茶謹製)

 どうでしょう?「ここは夢の国ですか?」って感じでしょ?(笑)

 実は昨日も、やることがあるにも係わらず「少しだけ…」ってな感じで行ってしまいました。並行扱いのお店なら、それこそ新宿にも中野にもありますが、モノホンの路面店を見るなら、例え天下の大東京でも銀座が一番なのは間違いないでしょう。

 …にしてもこの密度です。フランソワ・ポール・ジュルヌさんの名著「偏屈のすすめ」の中に、日本に店を出すなら「銀座」にすべきだというアドバイスを受けて、結局、南青山でしたっけ?に構えることにした話が載っていましたが、現在の銀座の「腕時計の戦場ヶ原」状態を見れば、その判断は慧眼だったと思います。余程じゃないと埋没しちゃいますもん。きっと。

 

 

 

 昨日、銀座に赴いたのは、先日入手した「レベルソ スクアドラ」にスペアのストラップを買ってやりたかったからなのですが、それとは別に、銀座でブティック廻りをして、早くも「次のターゲット」をロックオンしておこうという腹積もりもありました。いや、すぐには無理っすよ?何ヶ月も空けてからの話ですよ?(;´Д`)

 てなわけで、まずは「ジャガー・ルクルト銀座並木ブティック」さんへ。作る時計と同じく落ち着いたインテリアの店内は、銀座の喧騒から隔絶された憩いの空間のようでした。

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ジャガー・ルクルト銀座並木ブティック

 対面の「ロレックス」が、やたらと俗っぽく見えるのは何故でしょう(笑)

 今回、私がお願いするのは2016年にディスコン扱いになった「スクアドラ ホームタイム」のストラップです。この「スクアドラ」…ストラップに関してはかなり融通が効かない作りをしています。ザクッと説明すると、普通に革を重ねて厚みを出すとか、そういうことではフィットさせられない特殊なラグ形状なのです。故に速攻で「純正しか使えない」と判断。こちらのブティックに茶色のクロコの在庫があれば、もうその場で買っちゃおうと思っていました。こういう決断だけは速い私(;´∀`) 

 

 「お預かりして宜しいでしょうか?」ということで、私の「スクアドラ」はおずおずとバックヤードへ。ちょこんと静かに良い子で待つ私。

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飲み物とおしぼり頂戴しました。ロゴ入り!!

 ごめんなさい。やっぱり私は大人しく待てない落ち着きのない子でした。程なく店内をうろうろ。う~ん。やっぱり銀座のお店は品揃えが違うぜ!!

 すぐ近くのショーケースに、憧れの「アトモス」発見。温度変化をエネルギーに換えて動作する一種の永久機関を実現した置き時計なのですが…これ、数年前に危うく中古で買いかけたことがあります。だって「『永久機関』なんですよ!お客さんッ!!」

 私が「プロレスも大好き」なのは、弊ブログで何度もカミングアウト(?)させてもらいましたが、私に限らず古いプロレス好きなら「永久機関」というワードで脳裏に浮かぶことがあるのではないでしょうか?

 「アトモス」のような発明が、あの人の会社で実現してたらなぁ。今頃は…きっと「ありがとうッ!!」だったよなぁ(;´Д`)

 

 

 

 さらに、こんなすんごいのも発見!!

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ハイブリス・メカニカ

 マジか!!キャリバー184の「ハイブリス・メカニカ」やないか!?銀座まで来た甲斐があったでぇ!!

 何かもう、凄すぎてわけが解らないウルトラなコンプリケーションです。グラン・ソヌリ?ジャイロ?スフェロ?…解らんが凄いのは解るという、この時計馬鹿にして、ただのド素人のようにあんぐりさせてくれる、超絶な時計を拝むことができました。いやぁもう…ため息しか出ませんな(*´∀`*) 

 

 そうこうするうちに、奥から私の「スクアドラ」が戻ってきました。何となく「真贋判定」されてたような気も(願ったり!)…で、スタッフの方と「スクアドラ」が現役当時のカタログ(2012年版だったけ?)を見ながら、お話をさせてもらうことに。

 まず、残念ながら在庫は「なし」ということでした。取り寄せになるが、どちらにせよ再度このブティックで、きちんと適合して使えるかの確認が必要とのこと。さすがはルクルト。その辺はちゃんとしてくれます。もうこの時点で「私の信頼は貴方のもの」って感じですね(笑)

 で、ダメ元で「確か…スクアドラにはラバーストラップもあったと思うのですが?」と聞いてみました。実際、自分の物として着けてみると「これ、夏も似合いそうだなぁ」と感じまして、それなら純正のラバーストラップが一番格好良いのは間違いないわけで。

 

 「解りました!プライオリティーはラバーが一番で宜しいですか?」

 …宜しいも何も「お願いします!」

 

 「では、1週間お待ち下さい」

 

 メッチャ楽しみです。例えダメでも「ジャガー・ルクルト」というブランドに対する好感度は私の中で爆上がりですから、何の問題もありません。その時は、それなりに面白いストラップを探してお色直しを楽しむだけです。

 

 

 

 120%の満足を抱えてルクルトさんを出た私。あんまり時間は無いけれど、折角なので廻れるだけ廻ろうと思いまして。

 …で、お次に向かったのは、以前、銀座に来た際にお気に入りの場所になったばかりの「ブライトリング ブティック東京」さん。実は、とあるモデルの実機を手にして、確認したいことがあったのです。それがこちら。

 

クロノマット B01 42(AB0134101K1A1)

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(AB0134101K1A1)

 おうふ…コイツはたまらん!

 クロノマット懐かしのプディングのようなリューズに、控えめなライダータブ。このカッパー色のダイアルも良い感じです。ちょっと大きめ42ミリのケース幅ですが、これはこれで適正に感じました。防水も200mと頼りになりそう。これでロゴが「ツバサ」だったら文句はないのに(´;ω;`)

 

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気になっていたブレス

 あちこちのメディアで写真を見ても、イマイチ雰囲気が掴めなかったバタフライクラスプ式の「ルーローブレスレット」。ところが実物を拝見してハッキリしました。これは本当によく出来てる!

 まず、細工が精緻でキレイ。写真だとシャラシャラ軽く見えるルーローですが、ズシッとくる充実した存在感があって、つけ心地も柔らか。普通のコマのブレスとミラネーゼの中間みたいな装着感でした。

 ただ、スタッフさんの言を借りれば、調整にはちょっとしたコツがいるそうです。妙なところにCリングが噛ましてあって、調整の習得には研修を受ける必要があったそう。何だろう、難しいブレスとか…燃えるな(*´∀`*)

 

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イケメンですな(時計が)

 ほらねぇ~。まともな時計屋さんはちゃんと鏡を出してくれるんですよ(笑)こうしてみると、全然大きくは見えないですね。42ミリ。

 

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(AB0134101G1A1)

 こちらはシルバーのダイアル。「パンダカラー」もめっちゃ良いですなぁ。ちなみに、このモデルの最大の特徴は、こうして見たときの「ラグの極端な短さ」だと思うんですよね。

 エンドピースがブレスの一コマ分しかありません。その分、見た目はスッキリしていますし、ラグからストンと真っ直ぐに落ちるブレスが、手首との間にブサイクな隙間を作らない。これが装着感の良さに直結していると思いますねぇ(*´∀`*)

 

 

 

 お次は「チューダー ブティック」さんへ。昨年末に移転してからは初めてお邪魔しました。少し広くなったのかしらん?(細長くなった?)

 

BLACK BAY P01(M70150-0001)

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(M70150-0001)

 これまでにも何度も腕に載せてきた「P01」。大好きなんですよ。チューダーのこういう冒険心。

 主軸の「ブラックベイ」と比べると、その異形具合が際立ちます。だけどこれ、なんとも言えず色気のある時計なんですよ。作り自体はとても上品ですし、悪目立ちはしないと思いますね。この「変態時計」もいずれは「我が軍」の手中にしたいものです(チューダー3本目かぁ…)

 

 

 

 で、お次は「オフィチーネ・パネライ東京銀座ストア」さんへ。

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スッキリした感じ良い空間でした

 早速、商談スペースへ(笑)

 明るいインテリアのキレイな店内です。舞い上がっちゃって、妙に落ち着かない私。次第に外も暗くなってきましたので、サクッと数本、見せていただきました。

 

ラジオミール 1940 3デイズ アッチャイオ 47mm(PAM00662)

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(PAM00662)

 私のパネライ歴をスタッフさんに披瀝したら、まずはこの「47ミリ」ラジオミールをお勧めされました。やっぱり47ミリモデルは淘汰されゆく運命みたいでして「お客さんなら、これ行っとくべきでしょ!」みたいな感じ。パネライに見込まれたようで、なんか嬉しいような(笑)

 実際、パネライだと違和感を感じないというか、当たり前というか…普通に使えるなって印象でした。敢えてサンドイッチじゃない文字盤も渋いです。可愛い(*´∀`*)

 

Luminor Marina - 44mm(PAM01314)

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(PAM01314)

 お次のオススメがこちら。そっか、やっぱりこれか。前にも見たなぁ(笑)

 うちのルミノールと同型のケースです。違いといえば裏が「ソリッドバック」になっていることくらい。キャリバーも一緒ですね。

 けれど、このホワイト文字盤。夜光の抑えた色味と相まってすごくキレイです。パネライにあるまじき美しさとでも言えばいいのか(笑)

 ジャケットスタイルとの相性も良さそうですし、黒文字盤買ったばかりですが、やたらと気になる一本です(*´∀`*)

 

 

 

 さて、滞在時間は3時間ほどでしたが、行けるだけは行ってみました。

 他にも数件廻りましたが「シチズン フラッグシップストア東京」さんが、何だか気合い満点で凄かったです。シチズングループの全てがここに!みたいな感じでしたね。

 私も数年後には、単身赴任の年季も明けて大阪に帰る(帰れる?)はずですので、それまでは何度でも、銀座、特に「並木通り」を楽しみたいと思います。また何か買っちゃうのかなぁ…(;´∀`)

 庶民派の私にしてみれば、銀座の有名ブランドのブティックなんぞは、震えるほど敷居が高くて入りにくいところです。しかし、今回改めて感じたのは、自分が所持している(或いは買ったことのある)時計のブランドに関しては「臆せず入れる」ということ。そういうブランドなら「ちょいと邪魔するよ!」みたいな調子で入れちゃうんですよ(*´∀`*)

 暖簾をくぐってスタッフの方と対峙したとき、スルスルっと話ができるのは、やっぱり「使ったことのある時計」に関してだけなんですよねぇ。私が不器用なだけかもしれませんが、そこだけは、何歳になっても嘘がつけないみたいです(汗)

 

 

 

 あ、そうだ!

 巷で噂の「クロノセオリー」さん、行ってみたんですよ。唐突に思い出して「近いし行こか!」となりまして。

 入り口に辿り着いたものの「どないして入ったらええの?」みたいな設えの場所。きょろきょろしてると、凄い美人のスタッフさんが出てきてくれました。

 

 「ご予約は…」

 「あ…予約はしてません」

 

 結局、入れてもらえずとんぼ返り…という悲しい顛末になりました。

 そういえば若い頃、原稿を上げて締め切りをクリアした開放感のままに銀座に繰り出したとき、調子こいて「明らかに高そうな寿司屋さん」に入ろうとしたことがあります。食い物屋に関してはオヤジに連れられて、所謂、時価で食わせるような「一流所」を何度もご馳走になっていたので、若い身空でも全然抵抗がなかったのです。

 しかし、そんな私でも「お一人様」だと全く相手にされませんでした。もう、「顔じゃない」とばかりに(;´Д`)

 そこで人生初の「予約のない一見さんはお断り!」というセリフを聞きました。あれは悔しかったなぁ…でも、一端の大人扱いされた気もしたっけ。

 「クロノセオリー」さんに入れなかったのは、アホな私が予約を入れてなかっただけのことですが、何となく、その時のやり取りを思い出しました。私の「銀座は怖い」の原風景でしたので。

 次はきちんと予約してからお邪魔したいと思います。その時は、噂の「フォーメックス」も見せてもらえるかな?

 

 

 

 さて、お次はどのお店に入ってみましょうかねぇ…何か面白げなオーダーメイドストラップのお店も見つけましたし、機会があれば、そういうイクイップメントも開拓してみようと思います。その時は、今回作ったオリジナルマップもアップデートするつもりです。

 最終的には、これさえスマホに忍ばせておけば、どこでも迷わず時計を見に行ける…みたいなツールになればと思います。

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