腕時計喫茶

「微妙」な時計を愛してる

【2022年回顧】入手した腕時計を振り返る

 来ましたか…またしてもこの季節が(汗)

 今年も例年同様、阿鼻叫喚クラスの師走の忙しさの中で蠢動する私。仕事納めなんて本当に可能なのか…ってか、無事に新年は迎えられるのかという終末的な心配を抱えながらも、疲れきった脳裏にふと浮かぶのは「今年、手に入れた愛しい腕時計たち」の姿だったりしまして…(;´Д`)

 というわけで、今年も「本年中に購入した腕時計」について、義務感半分で一応振り返っておきたいと思います。毎年、振り返る行為自体に「不毛だなぁ~」と思わないではありませんが、すでに恒例儀式だったりしますし、今だからこそ書けることだってあるはずです。腕時計界隈のお歴々に自慢できるような物ではありませんので、サクッと行っちゃいましょう!!サクッと!!

 

【1月購入】ジャガー・ルクルト『レベルソ スクアドラ ホームタイム(Q7008420)』

 久しぶりにやってきたジャガー・ルクルト。古い雑誌やカタログが容易に手の届く環境で暮らしている…ってのも問題でして…過去に欲しかったモデルのイメージってやつが、ずっと鮮明な記憶のままなのです。忘れられないんですよねぇ(;´∀`)

 すでに手放して久しいものの「グランスポール」というレベルソ初の自動巻きモデルも大概な「変態レベルソ」でしたっけ。一応は「ど定番のレベルソ」に敬意を払いつつも、どこかしらに「捻り」「変態性」を求めたくなるのが私という人間の性分みたいです。我ながら面倒くさいヤツだなぁ。

 定番レベルソですけど、あれはどう考えてもスーツスタイル…それもスリーピースのような服に合わせるべき時計なのです。正装に近い方が確実に収まりが良いと言いますか。ある程度、着用者に「見た目の格式を要求する時計」だといえます。和装の羽織袴なんかに合わせても、格好良くキマるでしょうね(*´∇`*)

 ってなわけですから、そういうカッチリ系の服を着ない私にしてみれば「レベルソ」という時計は基本的に相性が良くないわけでして。

Jaeger-LeCoultre SquadraHometime (Q7008420)

 そこ行くと「スクアドラ・コレクション」は良かった。廃番になって随分経ちますが、レベルソをカジュアル世界に引きずり下ろして、多様な使い方を可能にしたという点では紛れもない名機だったと思います。入手したスクアドラは中古品でしたが、状態の素晴らしさもあって何かと重宝する一本です。裏蓋のトランスペアレントから覗くマニュファクチュールキャリバー「Cal. 977」も惚れ惚れする美しさです(*´∀`)

 

【2月購入】セイコー『キングセイコー(SDKS007)』

 このレギュラー版「キングセイコー復刻」に関しては「まんまとセイコーさんの術中にハマった」という印象です。とにかくリリース前の「煽り」が絶妙でしたし、私なんかでも手の届く価格も相まって、多くの方に「渇き」を感じさせたプロダクトだったと思います。

SEIKO King Seiko(SDKS007)

 そしてその「煽り」「誇大」でなかった点も評価すべきでしょう。手に入れた実物「キングセイコー(SDKS007)」は本当に…本当に素晴らしかった。

 あくまでも一般向けの大量生産品というスタンスでありながら、一つ一つの「キングセイコー」が醸し出す「逸品感」。使うほどに深まる愛着と、使うほどに知ることになる完成度の高さ。お世辞抜きでグランドセイコーに比肩する素晴らしいタイムピースだと思います。

 皮膚感覚で恐縮ですが、スイス製の腕時計と比較するなら「50万円辺りのモデル」でも持ってこないと勝負にならないんじゃないでしょうか??それくらいの「充実」を感じる出色のモデルでした。心から買って良かったと思えます(*´∀`)

 

 

【4月購入】オメガ『スピードマスター プロフェッショナル(310.30.42.50.01.001)』

 2022年は「オメガ スピードマスター」にとって特別な年になったと思います。普段から腕時計に興味のある層を飛び越えて、その認知度を大幅に上げることに成功したからです。もちろん、火を点けたのはスウォッチさんの「オメガ スウォッチ(ムーン スウォッチ)」が起こした大ブームでしょう。

Omega Speedmaster Moonwatch Co-Axial Master Chronometer(310.30.42.50.01.001)

 「オメガ スウォッチ(ムーン スウォッチ)」リリースの瞬間に、これほどの大騒ぎを巻き起こすと誰が想像したでしょうか??私個人は「ムーンウォッチ顔」をした時計の大ファンですが、せいぜい私みたいな連中が何本かまとめ買いして、本物のムーンウォッチと並べて楽しむ…「一種のファングッズ」だと思っていたんです。それが蓋を開けてみれば、腕時計好きの枠を逸脱して一般層にまで波及する凄まじい渇望を生み出したじゃないですか!!

 先日、目を通させてもらった「オメガ スウォッチ」関連の記事にもありましたが、スウォッチさんのグループとしての目論見は「ドはまり」したのだと思います。昨今のスピードマスター各モデルの中古価格が軒並み上昇している事実…「オメガ スウォッチ」で刺激された耳目の多くが本家「スピードマスター」の方にも集まり、満遍なく良い影響を与えていることの証左でしょう。

 そしてここに一人、象徴的な私がいます。3万円ちょいの「オメガ スウォッチ」に触発されて、80万円の本家「スピードマスター プロフェッショナル(310.30.42.50.01.001)」を購入したのですから(現在は88万円まで高騰…)

 私の腕時計人生通算4本目のスピマス。ようやくここに来て「オメガ最大のアイコン」を手に入れようと決心できたのは、良くも悪くも「オメガ スウォッチ」のお陰でしょう。

 ですが未だに「スピードマスター プロフェッショナル」に関するレビューは書けないでいます。いつもなら興奮状態のまま、サラサラと書けちゃうケースなんですけどねぇ。

 理由は幾つかありますが…最低でも1年は使わないと「ムーンウォッチ」の真価に触れられないような気がしているからです。いずれは私だけの感触で、私だけの記事が書けるでしょう。まぁ、そのうちに…(;´∀`)

 

 

 

【7月購入】セイコー『プロスペックス 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン Save the Oceanモデル(SBDC165)』

 キングセイコーの購入は「満足と納得の二重奏」そのものでしたが、このプロスペックス「SBDC165」だってそういう意味では負けていません。色んな意味で本当に買ってよかった時計です。

SEIKO PROSPEX(SBDC165)

 1965年に発売されたセイコーの「原初のダイバーズ」をルーツに、そのイデアを現代のクオリティーで楽しめる「SBDC165」は、セイコーのお家芸である「未来志向のスマートな復刻」の好例ではないでしょうか。

 いかに優れたアーカイブを誇ったところで、そもそも現状のニーズを掴み損ねていては意味がありません。セイコーさんはそのさじ加減が実にお上手なのです。

 特徴的なダイヤルの装飾にしてもただ美麗なだけじゃない。2022年という年にリリースしてこそ意味がある意匠だったと思います。後々「2020年代のセイコーを象徴するモデル」として、記憶されることになるかもしれません。

 「Save the Oceanモデル三兄弟」の3本ですが、現物を見ればどれもが実に素晴らしい出来映えでした。つぶさに観察すればするほどそれは顕著でしたし、文字通り「甲乙付け難し」だったのです。とはいえ(経済的理由で)たった一本を選ばなければならなかったわけでして…

 選択に後悔ですか??それはありません(`・ω・´)ゞ

 アイドルで例えれば、3本のうちセンターポジションに立つべき時計は間違いなく「SBDC165」だと思いますし、取っ掛かりとして私がこれを選んだことも、極々自然な流れだったと思います。

 

 

 

【7月購入】カルティエ『タンク マスト ソーラービート(WSTA0059)』

 本当にカーッと燃えるように欲しくなって、アチコチのカルティエさんに突撃しては撃沈を繰り返した「ソーラービート」。某百貨店さんの粋な計らいで予約を受け付けてもらえたことで、安んじて入荷を待つことにしました。

 ただ、安んじ過ぎました(笑)予約を完全に忘れていたんです。

 偶然にも入荷メールに気付けたから良かったものの、予約流れを起こしてしまった可能性もございました。危なかった…

Cartier Tank Must SolarBeat(WSTA0059)

 手に入れた「ソーラービート」は、世界中の著名人を虜にしたカルティエのクラシカルなタイムピースに、真逆の先進的な機構を搭載した「変態カルティエ」です。

 だからこそですな!!「変態腕時計紳士」である私が纏うに相応しい「数少ないカルティエ」だったと思います。カルティエなのにソーラーという、重いんだか軽いんだか解らない存在感が楽しい時計なのです。

 ちなみに意外とNATOストラップが似合います。可愛くなりますよ~(笑)

 以前は突如公式ページから姿を消し、一部では「早くも生産中止??」と噂されたりもしましたが、現在は無事に復活しております。店頭で見かけた際は手に取って見て下さい。ソーラー時計のイメージが覆りますよ(*´∀`)

 

【8月購入】ティソ『シースター 1000 36MM(T120.210.11.011.00)』

 腕時計好きにとって、夏という季節が殊の外厄介なのは、理性的な計算を無視するかのように「ダイバーズ」が欲しくてたまらなくなるからでしょうか??

 「アンタ似たようなの何本も持ってるやん!!」と脳内の相方からフルスイングのツッコミを食らったとしても、そういうときの腕時計好きは鋼鉄の如き意志で、自らの衝動に愚直に従ってしまうものです。

Tissot Seastar 1000 36MM(T120.210.11.011.00)

 購入した「シースター 1000 36MM」は爽やかな真っ白なダイヤルにホワイトのベゼル、そしてケース径36ミリというグッとくるサイズ感。そのどれもが愛らしさの象徴であり、元来、男のためのツールであるダイバーズには感じることのない「庇護欲」すら湧いてくるのです。

 手に入れやすい価格も良かったのでしょう。ヒヤヒヤさせる華奢な見た目ながら、充分にダイバーズとしてハードな使用にも耐えるその姿は、ガチなプロレスファンから見た「女子プロレスの選手たち」を想起させます。そうですなぁ…「シースター1000 36MM」を選手に例えるなら、スターダムのハイスピード・フェアリー「なつぽい」選手で決まりかな??可愛いのに結構エグいし!!

 

 

【9月購入】シチズン『クロスシー daichi コレクション(EE1007-59W)』

 腕時計好きとしての私の嗜好は、環境や経済状況の変化でその都度影響を受け変質してきました。

 今年はこれまでさして注目もしなかった「ダイヤルの工芸的な装飾」に目覚めた年だったかもしれません。

 例えば「クロワゾネ」。超高級時計の象徴的な装飾ですし、いかにも「金持ちが金にあかして作らせた道楽」みたいな感じがして、素晴らしい工芸だと理解していても、庶民の私が近付こうと思う時計ではありませんでした。

 ところが中野の某所で戯れに手に取ってしまったクロワゾネの一本。それにやられまして…欲しくなっちゃったんですよねぇ。あぁ…

 しかし現実問題として、そんなお大尽な時計に手の届く私ではないのです。

 そんな失意の私の前にシチズンさんの「クロスシー daichi コレクション(EE1007-59W)」は現れました。もちろん、お値段から言ってもクロワゾネなんかではありません。ですが、大量生産品としては相当にイケてる工芸的魅力に溢れた美しい日本製の逸品を、とにかく手元でマジマジと観察して見たくなったのです。

CITIZEN xC daichi collection(EE1007-59W)

 問題は「レディス」であること。しかし、私はこの時、一つの重要な「逸脱」を果たしました。ぶっちゃけ、自分が使う前提なんてなくてもええんちゃうか…と。

 お陰さまで、日頃使用するメンズの時計では得られない種類の知見を得ることが叶いました。メンズとは本質的に異なる「美しさ」の意味。華奢であることの「尊さ」

 ソーラーの受光部を兼ねる難しいダイヤルに、目一杯施された装飾の華麗さは目を見張るものでした。

 ずっと見ていても飽きることがない美術品の如き「EE1007-59W」。結果として「こんな感じの装飾でメンズサイズがあればなぁ(汗)」と男の自分では使えない悔しさに歯噛みした私。「クロスシー daichi コレクション(EE1007-59W)」はそんな時計です。

 

【9月購入】カシオ『カシオ スタンダード(AQ-800E-7AJF)』

 関西人である私は基本的に「安くて良いもの」が好きなのです。ってなわけで「チープカシオ」という日本製最安級の腕時計群を嫌いであろうはずもなく、むしろ気軽に買えてしまうその「安さ」から距離を置くために、できるだけ視界に入れないように努めてきました。

 ひょんなことから「チプカシって今どないなってんのかなぁ??」と思ってしまったのが運の尽き。公式ページには学生時代にワクワクさせてくれた「チープシック」の進化した姿があったのです。

 特にリリース直後のモデルたちには、今後の展開次第では「隠れブーム」を生み出し兼ねない魅力を感じました。数千円で買える腕時計とは思えない「渇望」に目眩を覚えた私。

 抗い難い衝動に任せて公式ショップから購入した「AQ-800E-7AJF」は、誰がどう見てもカシオにしか見えない「個性」の持ち主でしたが、同時に、オンオフのどんな服装にでも合わせることが可能で、性別や年齢、収入の多寡すらも超越した「圧倒的な汎用性」を併せ持っていたのです。そんな時計、チプカシ以外にありますかって話。

CASIO CASIO STANDARD(AQ-800E-7AJF)

 「今日は忙しすぎて時計なんて構ってる場合じゃない!!」みたいな日に使うことの多い「AQ-800E-7AJF」ですが、その小さくて可憐な姿ゆえでしょうか、結局のところ私の視線は袖口に集まってしまいます(*´∀`)

 

【9月購入】カシオ『カシオ スタンダード(CA-53WF-3B)並行輸入品』

 「AQ-800E-7AJF」購入直後のモメンタムに任せて購入。高校から大学にかけて愛用していた懐かしの「データバンク」を再び腕に巻く日が来ました。

 ちなみに私個人はこれを「腕時計」だとは思っていないのです。ゲーム電卓に遡る…多機能電卓の系譜に連なる「ウエアラブルデバイス」だと考えています。

 小さな電卓と時計機能の合体自体は難しいことではないでしょう。どのブランドが出してきてもおかしくないと思います。

 ですが、カシオさんが作ることの意味は絶大。元電卓屋が作った「データバンク」だからこそ、そこに揺るがぬ「説得力」が生まれるのです。幼少からプロレスファンの私は「説得力」というワードに異常に拘る癖がございますが…気にしないで下さい(;´∀`)

CASIO CASIO STANDARD(CA-53WF-3B)

 そして「CA-53Wシリーズ」は、そこにデザイン的な「こなれ感」を纏い「無印良品」辺りがお好きな方のハートに刺さる「お洒落ガジェット」として生まれ変わりました。

 シンプルな装いに合わせたときの格好良さは、何気にG-SHOCK譲りかもしれませんねぇ。

 

 

 

【10月購入】スウォッチ『ムーンスウォッチ ミッション トゥー ザ サン(SO33J100)』

 恐らくは後年、2022年という年は「腕時計界隈で2つの狂騒」があった年として語られるのではないでしょうか。

 一つは「マラソン」で見出しが立つほどのお祭りだった「ロレックス」。もう一つはスウォッチが仕掛けた「ムーンスウォッチ(オメガスウォッチ)」の登場でしょう。

 思えば、腕時計のために列を作って並ぶ文化が奇妙な市民権を得たとも言える本年でした。

 純粋に腕時計欲しさの一念だけではない「不純な動機」に対しては眉をひそめたくなるのが「本物の腕時計好き」だと思います。ですが、ロレックスにしてもムーンスウォッチにしても「並んででも欲しい魅力」に満ちた時計であることは間違いないと思うのです。

 体力的な限界から早々に「リタイア」を宣言した「ロレックスマラソン」に対して、短期決戦で勝負が付いた「ムーンスウォッチマラソン」でした。

Swatch BIOCERAMIC MOONSWATCH MISSION TO THE SUN(SO33J100)

 自分なりのリサーチで購入可能性の高い時間帯を割り出し、そこに一縷の望みを見出した結果として手に入れた「ミッション トゥー ザ サン(SO33J100)」。そのファンキーな黄色いケースを手元で見つめる都度思うのです。「ロレックスマラソンみたいに、途中でリタイアしなくて本当に良かった」と。

 銀座のハイエックセンターを皮きりに「ツアー」が始まったことで、入手性は大幅に高まったと思います。ですが、ドキドキと二人三脚で渋谷のスウォッチストアに通いつめた思い出だって悪くありません。もしかしたら数年後には、時計本体よりも入手できた経緯…記憶の方が宝物になっているかもしれませんねぇ(*´∇`*)

 

【12月購入】バルチック「マイクロローター(MR01)」

 今年は腕時計を通じて「人の縁」が広がった年でした。その繋がりで紹介されたお店で購入したのがフランスのマイクロブランド、バルチックさんの「MR01」。実際に手元にやってくるのは半年後ですが、入金を終えた時点で購入完了と考えるならば、この場に記録しておくべき一本なのでしょう。

 「MR01」の魅力は、兎にも角にも「マイクロローター」です。10万円もしない時計に「マイクロローター搭載」なのです。もうそれだけで、腕時計馬鹿の魂は打ち震えました。

Baltic Silver(MR01)
出典:https://baltic-watches.com/ja

 考えてみればバルチックは、私が購入した初のマイクロブランド(メゾン)なのです。正直、全くもってこれからのブランドですし、これまで専門メディアで取り上げられることもほとんどなかったブランドです。

 ということは、使った人たちが声を上げて「めっちゃええやん!!バルチック!!」と自らの実体験を元に「快哉」を叫ぶことでしか、その評価を高めることは出来ないわけです。そしてそれこそが「評価未確定」のマイクロブランドを「推す」楽しみなのではないかと思っています。

 ユーザー一人一人の発言がこれらブランドの今後を左右するわけですからね。心して愛でませんと!!

 あぁ~早く麗しの「MR01」に会いたいなぁ(*´∇`*)

 

 

2022年のまとめ

 総数「11本」…結局、購入本数だけで言えば昨年を上回ってしまいました(汗)

 年頭に「今年はコレクションをシュリンクするぞ!!」と誓ったにも係わらずこの始末…誠に腕時計ほど引き算の難しい趣味はないと改めて実感しました(;´Д`)

 戯れに、本年の傾向らしきものが見えるかと購入した時計たちをかき集めてみましたが、これといった共通項は見出せませんでした(汗)敢えて言うならば、その無秩序、無軌道こそが本年だったかもしれません。

 ですが、その無軌道を分析することは可能です。それによりますと、要するに私は「高級腕時計を特別視していない男」なのでした。

 本年で最も高価な時計は「スピードマスター プロフェッショナル」でしたが、購入時の高揚感で言えば、最安の「チプカシ」の2本とさして変わらなかったと思います。どちらも欲しくて入手したという経緯に差はありませんし、購入に至るまでのワクドキに関して言えば、そこには「大も小もない」のです。

 メンズもボーイズも、レディスだって意に介さず、さらには二次市場に乗せたときの価値についても「ぶっちゃけどうでもいい」を貫いた2022年。

 「単に欲しいものを買う」という最も単純な物欲で走り抜けた本年は、腕時計の資産としてのあり方ばかりがクローズアップされる昨今の風潮からしてみれば、愚かな散財と揶揄されるかもしれません。

 しかし、本質的に2本目以降の腕時計は全て「無駄な散財」なのです。ならば純粋行為の最たるものである「物欲」に従って刻まれた2022年のコレクションは、腕時計趣味人としての「王道の轍」だったのではないか…そんな風に自分自身を納得させて、本年の振り返りを終えたいと思います(;´∀`)

 

最後に

 弊ブログ「腕時計喫茶」は沢山の読者の皆さまに支えられながら、2022年に「85本」の記事をリリースすることができました。頑張ればこのあと一本くらい書けんかなぁ~と考えているところだったりしますが…(笑)

 お忙しい中、熱いコメントを下さる皆さま。そのコメントに火を付けられ、背中をグイグイ押されて書いた記事は数知れません。皆さまのご意見こそが私の燃料でございます。

 相変わらず本業に忙殺され、思ったように本数が書けない本年でした。下書きまでは進んでもエビデンスの収集に手間取ってやむなくタイムアウト…そんな可哀想な記事も沢山ございます。思えば運営面でも悩みもがいた一年でした。

 「腕時計喫茶」は読者の皆さまの「腕時計愛」と業界の皆さまの「腕時計愛」。そこに私の変態的な「腕時計愛」が渾然一体と溶け合って生まれた(ほぼ)腕時計専門の言論空間です。そこは今後も変わらないと思います。

 ですが…実は来年「腕時計喫茶」とは進入角度の異なる「新ブログ」を立ち上げようと考えているところでして、すでにドメインは用意し終えました。

 ネタは「腕時計」で変わりません。何と言いますか…「腕時計喫茶」では書けなかったタイプの記事を書いてみようと目論んでいるのです。全体の文量もセーブして「3000字以内」くらいの「サクッと読める記事」を量産できたらいいなぁ~と考えています。

 あまり期待なさらずに、まったりとお待ちいただければ幸いです(*´∀`)

 

 最後の最後に、弊ブログ主催として心からの感謝をお伝えしたいと思います。皆さま本当に…ほんと~にありがとうございました。

 2023年の皆さまに、ステキな腕時計との出会いが訪れますよう、中野区と西新宿の接線から祈念させていただきます。そして来年も弊ブログをお見捨てなきよう、よろしくお願い申し上げます。

 腕時計を愛する皆さまに、2023年も幸多からんことを~(*´∀`)