腕時計喫茶

「微妙」な時計を愛してる

2022年版、復刻『キングセイコー(SDKS007)』を買いました!!

 

 1960年に「グランドセイコー(諏訪精工舎)」、そして翌61年に誕生したのが「キングセイコー(第二精工舎)」だそうです。そっかぁ…その名から受ける印象通り、2つはライバルとして誕生したんですね(*´∀`*)

 

 かつて、「グランドセイコー」に劣らぬ国産高級腕時計として、その名をほしいままにしていた「キングセイコー」。時代を先取りしたデザイン、高い性能、グランドセイコーよりも求めやすい価格…と三拍子揃った「キングセイコー」は、イケイケだった当時の世相にピッタリ嵌って、上昇志向の強いサラリーマンたちの袖口を彩ったそうです。「キングセイコー買うぞ!!」を目標にして働いた男たちも多かったはず。

 

 そんな「キングセイコー」の名跡が、2020年末に限定生産モデルとして復活、その小さくない反響に手応えを感じたのでしょうか、22年のこの度「キングセイコー」はセイコーのレギュラーモデルとして、見事な復活を遂げることになりました。

 限定モデルは「385,000円」でしたから、私みたいなビンボー人を躊躇させるには十分でしたが、今回のレギュラーモデルは「198,000円」です。むむむ…これは悩ましい数字だなぁ…(;´∀`)

 

 「キングセイコー」第2世代「KSK」をモデルにして、再定義された製品の写真を見たときに感じた「これだよ!!」感。時計全体に時代錯誤な昭和感を湛えつつも、その細部から放射される「現在の技術」。セイコーの本格的なアーカイブ掘り起こしが始まる先駆けとして、この「キングセイコー」は正しい復刻の姿だと感じました。

 何ですかね?セイコーの時計に対して久々に感じる…狂おしいまでの「渇き」は( ・`д・´)

 

 

 

 1975年には生産が終了していた「キングセイコー」。オリジナルが私の記憶に残っているはずはないのですが、どういう訳だか「妙に懐かしい」。そして「妙に泣かせる」のです。それは、去る2月18日に発売された「復刻KSK」にも同様に感じたことでした(ちなみに「KSK」の最後の「K」は、秒針の「規制機能付き(ハック)」の意とのこと。に、日本語!?)

 

 過日「建国記念日」に銀座の「セイコードリームスクエア」に行くという、ある意味「確信犯的行動」に出た私です。

 

 

 ということで、銀座に向かう丸ノ内線に乗った時点で、心はすでに決まっていたのでしょう。

 

 予約してました。先週!

 受け取りに行ってきました。本日!

 

 

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「セイコードリームスクエア」さんに到着です。「キングセイコー」推されてる!!

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オオタニサンがお出迎え。スタイル良すぎて気圧されます(笑)

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さあ、私が買ったのは何色でしょう(*´∀`*)

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しばらくしたら、レザーベルトも検討せねば!!

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4Fは「アストロン」のフロアですが、ここでブレスのフィッティングをするようです。

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居心地の良いオサレ空間。

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銀座の時計屋さんは必ずお水をくれるんですが…そういうものなんですかね?

 

 

 

 さすがは「銀座和光」さんのお店です。場所柄、大した買い物ではないと思いますが、それでも最高に気持ちよくお買い物を楽しめました。

 

 その後も、色んなお店に引っかかってしまい疲労困憊でしたが、タクシーを使うこともなく、地下鉄で新宿に戻ることに。

 今すぐ開封したくなる誘惑と戦いながらの帰路でしたが、ふと、パソコンを買い換えようとしていたことを思い出し、ビックカメラへ。そこでもまるでマクロで決まった動きしかできない人形のように「腕時計売り場」へ。広田さんが褒めてた「オシアナス」を見たりして…(;´∀`)

 

 

 

 さてはて、おうちに帰ってきました。

 開封するぜ!!…って、なんじゃこりゃ???

 物凄い違和感(笑)

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特製フロシキに包まれたお姿。

 柿の葉寿司でも入ってるのか?…やっぱあれかな?銀座だし、高級クラブに遊びにいくときに持参する「お持たせ」をイメージしたのでしょうか?違うか(笑)

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包を開けるとシンプルな箱。

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さらに開けると…サイフ???

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「サイフ」を開けるとこんな感じ。

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ここに保証書なんかを入れておくらしいです。

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ひょっこり…「おはよう」

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私が選んだのは「ブラウン(SDKS007)」でした。シブいぜ!!

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「KING SEIKO」味のある書体です。

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キングセイコーのモチーフ「盾マーク」付きリューズ。存在感がスゴイ!!

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見た目、この角度の完成度がめちゃめちゃ高いです。

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ブレスはセイコーらしい着け心地。適度な遊びがあって肌に馴染みます。バックルは両開き。「KING SEIKO」のロゴが、さり気なくてシブいです。

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裏蓋には迫力の「盾マーク」。時計本体のグリップにも摩擦で寄与しています。

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一見、装着性悪そうなラグですが、全体が小ぶりなので問題なくフィット。本体が暴れる感じもありません。とても良い感じです。

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「ライターカット」のインデックス。って言われても、若い人には解んないでしょうねぇ~「ゴールドライタン」のアレですよ…ってそれも解らんわな(笑)

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「キングセイコー復刻」…装着するとため息が出る美しさです。

 

 

 

 手に入れた感想を一言で申し上げるなら…「日本人で良かった」でしょうか。特に昭和生まれのミスターたちならば、この「味」は反射で理解できるはずです。

 塩サバとしじみの味噌汁があれば十分に幸せ…2022年版「キングセイコーの味」は、そんな「昭和の感性の延長線上」にあると思えるからです。

 直線的でシンプルな外装、無駄のないベゼル、最小限の情報で構成されたダイアル周り。ノンデイトは必然なのでしょう。美しく磨き分けられた針と重量感満点のインデックスは、このモデル最大のセールスポイントと言えます。

 ボックス型サファイアガラスがもたらす「レトロ」「スペーシー」な風合いも見逃せません。小ぶりなキングセイコーがここまでの存在感を持つに至った、一番の功労者は風防だと思います。確かに「分厚い」という意見もありますが、個人的には厚さ以上の格好良さを獲得していると思います。ゆえに全然アリでしょう。

 

 私が嬉しかったのは、必要以上の解釈を加えずに「復刻」してくれたことでしょうか。現代の技術と方法論なら、幾らでも改善できるはずの「幾つかのウイークポイント」を残してくれたのは大きいと思います。それこそが「復刻モノ」「萌え所」ですし、オールドファンの好奇心をくすぐる材料にもなるはずです。

 

 

 

ムーブメント キャリバー6R31

駆動方式 メカニカル 自動巻(手巻つき)

精度 日差+25秒~-15秒

駆動期間 最大巻上時約70時間持続

ケース材質 ステンレス

ガラス材質 ボックス型サファイアガラス

コーティング 内面無反射コーティング

中留 ワンプッシュ両開き方式

防水 日常生活用強化防水(10気圧)

耐磁 あり

ケース厚 12.1 ㎜

ケース横 37 ㎜

ケース縦 43.6 ㎜

重さ 129.0 g

腕周り長さ(最長) 197 ㎜

石数 24石

秒針停止機能あり

 

 価格は「19万8000円」です。皆さんはどうです?…私は「これなら安い!」と思いました。全体の仕上げも十分なレベルですし、流行りの「約3日」のパワーリザーブもある。もしこれを、そのままスイスのどこぞが作ったとしたら…5000ドルは下らないんじゃないでしょうかねぇ?…ぶっちゃけ、それくらいの価値はあるような気がしました。ちと誉め過ぎかなぁ?

 

 キングセイコーがグランドセイコー同様に、その歴史を断つことなく現在まで続いていたら…セイコーのハイエンドラインの片翼を担っていたかもしれません。

 そんな歴史の「IF」に思いを馳せるきっかけになりそうな、今回の「キングセイコー復刻」。それは単なるセルフコピーのヘリテージ物ではなく、過去の良品を起点にして始まる「新しい価値観の創造」なのかもしれません。

 

 久しぶりに萌えましたね!!「キングセイコー」(*´∀`*)