腕時計喫茶

「微妙」な時計を愛してる

iPad Air(第3世代)とApple Pencilでスラスラ絵を描くつもりだったが…

今回は腕時計と全く関係ない話です。ゴメンナサイ。

 

そもそも私の社会人としての出自は「フリーのイラストレーター」でした。「でした」と過去形で語らなければならないのが悲しいのですが、近年は自分が「何者」なのかがよく解らなくなってきています。グラフィックデザイナーとしての仕事、エディターやライターとしての仕事に、不定期の怪しい芸能活動。どれも縁あって始まったことですが、確固たるベースがないので所詮は全て「素人芸」。キャリアだけは長くなってしまったものの、自ら進んで勉強したことがない分、何というか…いつまでたってもやっつけ感が拭えないのです。それほど豊かな才能を持って生まれてきたわけでもなく、最近は自分の伸びしろも感じなくなってきました(泣)

 

それでも「絵」だけは心底好きらしく、たまにやってくる「絵」の仕事は嬉々として受けています。仕事以外でも暇があればラクガキに勤しんでいますし、そのラクガキがそのまま運良く仕事になることもあります。

 

キャリアで言いますと、30歳までは紙ベースの仕事が中心でした。カラーインクやコピックがメインでしたが、時にはガッシュを使ったりカラートーンを貼ったり、今考えると実際に紙に描き始めるまでの準備に、相当な時間を使っていたと思います。それが今や「完全デジタル化」という時代。下絵をスキャンすることすら少なくなって、PCに直接Wacomのデジタイザーで描き込むスタイルが定着しました。かつてのアナログな環境を思い出して少しだけ淋しくもなりますが、「絵の具が乾く時間を待たなくていい」「幾らでもやり直しが効く」といったメリットに比べれば、さしたる問題ではありません。

 

仕事場でPCの前に座っているときはWacomでよいのですが、ふと湧き上がってきたイマジネーションを形にしたい時など、「もっと小型で、さらさらっと描ける液晶タブレットみたいなのが欲しいなぁ」と思い続けていました。感圧式のペンが使える小型端末は過去にいくつもありましたが、せいぜいクレジットカードの決済でシグネチャーを書くための液晶ボード並の性能で、とても絵がかけるシロモノではありませんでした。

 

出先でさらっと描ける端末を求め続けた私は現在、「Samsung Galaxy Note 8」を愛用しています。2017年当時のサムスンのフラッグシップモデルでしたので、今でも十分に通用する性能です。何より描き味が向上した「Sペン」が最高なのです。

 

https://www.galaxymobile.jp/common/images/pdp/buy_galaxy-note8.png

 

まず、ペン自体が小型で軽くて絵を描く際の負担になりません。そのペンは本体にすっぽりと収納され、「ペンだけ忘れた」なんてことも起きないのです。そして描き味は前モデルからかなり改良され、専用のデジタイザーに匹敵するものになりました。使用するアプリにもよりますが、探せばSペン対応のラスターグラフィックス環境もすぐに見つかると思います。Sペンの全ての機能が使えるアプリなら、その描き味はWacomに匹敵します。

 

とにかく、あの小さなスマホサイズにペンが格納されていて、取り出してアプリの起動、描き終わっての保存までが気持ちいいまでの素早さ。6GBとという潤沢なメインメモリのお陰でカクつくようなシーンもありません。私の場合、「松のや」でトンカツを頼んで配膳されるまでに1枚描き終わります。私の描画速度はかなり早いほうですが、それにキッチリついてくるパワーとレスポンスは大したものです。

 

これ、「Samsung Galaxy Note 8」で描いた「松のや」作品です(笑)

 

ですが、不満もあります。間違いなくある面においてはメリットなのですが、細かい絵を描くにはディスプレー(この場合は描画面)が小さ過ぎるのです。また、一般的な画用紙と比べて異様に縦長なので、描く絵が全て縦長に((((;゚Д゚))))

 

そうなると、この不満を解消してくれそうなのは、Apple Pencilに対応した「第6世代以降のiPad」しかありません。大きい分取り回しは悪くなりますが、私が愛する「LUGGAGE LABEL」のショルダーバッグにもギリギリ入りそうです。画面は確実に大きくなるわけですし、「CLIP STUDIO PAINT for iPad」が使えるのはデカイ。Adobe系以外では事実上の標準アプリですから、編集状態を維持したままでファイル交換を行えるメリットは計り知れません。やっぱりiPadしかないかなぁ。うん。

 

ということで、近所のソフマップに描き味の確認に行ってきました。一番のお目当ては「iPad Pro(第3世代)」ではなくて「iPad Air(第3世代)」です。買うとすれば高い買い物になりますから(腕時計を買うことに比べれば大したことはないのですが…)ガッツリ描いて調べ倒してやろうと思っていました。

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61z85f1XsgL._SL1500_.jpg

ひと通り描きたおした私の感想としては「甘くないよなぁ~」でした。「iPad Pro(第3世代)」の方が「iPad Air(第3世代)」よりも反応が優れているのは明白です。「A12X」「A12」の差は歴然で、ボカシの効いた太めの筆の描画ストロークでは「Air」の遅さがハッキリと解りました。Proのメインメモリは4GB、Airは3GB。この差も大きいかもしれません。クリスタを使っていましたので、描画サイズを落とせばもう少し動作を軽快にできるかもしれません。高機能なアプリを使う分、PC並の仕事をこなそうとすれば、PC並の環境が必要なことは明らか。あまり大きなサイズの絵は描かず、小さなカットやA4サイズまでくらいのイラストならアップまで持っていく力はあるでしょう。それでもアホみたいにレイヤー数を増やせば、ガッカリな結果が待っていそうですが(;´Д`)

 

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この辺も「松のや」作品。こんなスケッチみたいな絵でも5枚ほどのレイヤーを使います。ってか、「松のや」行き過ぎですね(汗)

 

なにより情けないのは、2017年発売の「Samsung Galaxy Note 8」より、メインメモリが少ないこと。OSが違うので一概には言えませんが、せっかくのマルチタスクも4GBや3GBでは宝の持ち腐れです。仮想メモリをストレージにでも置けるなら良いのですが…私の友人が望んでいた「iPadだけでお仕事」は難しいかもしれません。伝えてあげなきゃなぁ…

 

Samsungの「GALAXY TAB S6」という選択肢もありえます。Sペンも使えるし、メインメモリは「iPad Pro(第3世代)」の倍「8GB」です。ディスプレーは10.5インチ。iPadと変わりません。もしかするとiPadより使える?と思えなくもないのですが、何せ本物が見れない。Samsung公式でも日本のキャリアに卸してる記述はありません。う~ん…ホワイト国とかGSOMIAとかあるけど、とりあえず近所で実機を見れるようにしてほしいものです。並行輸入もできますがその場合のお値段は「約11万円」ペンが付属とはいえ、「iPad Pro」が視野に入ります。悩ましいなぁ。

 

11月までには結論を出して、新たな移動中の作業環境を手に入れたいと思います。それまでしばらくは「Samsung Galaxy Note 8」で頑張るとしましょう。

 

 

Apple iPad Air (10.5インチ, Wi-Fi, 64GB) - スペースグレイ (最新モデル)

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Apple Pencil (第一世代)

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Apple iPad?Pro (11インチ, Wi-Fi, 256GB) - スペースグレイ (最新モデル)

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Apple Pencil(第2世代)

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