腕時計喫茶

「微妙」な時計を愛してる

使って解る【BALL WATCH エンジニア ハイドロカーボン セラミックXV】

まともなダイバーズとして認めてもいいかなと思える防水性は「300m(1000ft)」あたりからかなぁ~と思っています。100m、200mでも「ダイバーズ」と呼ぶようですが、長年使用していれば防水性はジワジワ落ちてくるもの。300mくらいの性能が最初からあれば、実際の性能はその1.25倍に相当するといわれてますから、十分に余裕のある防水性能といえます。

都会住まいをしていれば、そうそう時計を水没させる危機に出くわすわけではありませんが、防水性能を含む包括的な気密性が高い時計が頼もしい存在であることは事実です。特に多湿な夏を毎年繰り返す日本という国においては(;´Д`)

 

私が愛用するボールウォッチの「エンジニア ハイドロカーボン セラミックXV」は高い防水性と機密性を誇り、耐衝撃性や耐磁性にも優れる頑強この上ないダイバーズウォッチです。

https://www.instagram.com/p/BpRMbZYnJPd/

ボールウォッチの特許の一つ、「セーフティロック・クラウンシステム」の巨大さが一際目を引く特異なデザインです。

しかしながら、漆黒のセラミックベゼルが柔らかな印象を与え、ケースの流麗な造形が何とも色っぽい、どちらかというと「女性的」なデザインです。性能的には完全に「マッチョ」な時計に分類されるかと思いますが、身につけた印象ではとても可愛らしい時計だと思います。

ボールウォッチの時計といえば何といっても「マイクロ・ガスライト」夜光システムです。トリチウムのガスを極細のガラス管に封入し、10年以上も自発的に光り続けるという荒業。ルミノバとは異なる不思議な光り方をします。小さなオーロラのような柔らかな光です。

ムーブメントはCOSC認定クロノメーター取得のRR1101-Cを搭載。エボーシュ品であろうと自社開発の多くの部品で換装して、可能な限り性能と安定性を高めてあるそうです。実際、巻き上げの際のテンションのかかり方が柔らかく、無理の少ないメカニズムで組まれていることが解ります。クロノメーターまで追い込むというのは、こういうことなんだと感じることができました。

ラグとストラップは片側を2本のピンで固定。1400ニュートンの力に耐えるというのですから、どんなに荒っぽく振り回しても、ストラップが外れて時計が飛んでいくことはないでしょう。

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ケース幅は42ミリなので、意外と大きすぎると感じたことはありません。ゴツいのにそう感じさせない作りの妙は、もしかするとボールウォッチに共通した特色かもしれません。真正面から「性能」をうたう作りを避けて、柔らかなオブラートに包んだ遊び心のあるデザインだと思います。

https://www.instagram.com/p/BrCmA5Jn-5E/

エンジニア ハイドロカーボンシリーズは、ひと目見たら忘れられない強烈な印象があるので、好きな人はとことん好きになれる時計だと思います。しかしこの「強烈すぎる第一印象」で損をしていることも事実。

身に付ければ、定価340,000円の時計とは思えない上質な作りだと解っていただけるはずです。「付き合ってみてわかる気立ての良さ」が自慢のお嬢さんのような一本です。

 

エンジニア ハイドロカーボンセラミック XV(DM2136A-PCJ-BK)

ムーブメント:RR1101-C自動巻き(COSCクロノメーター)

防水性:300m

耐磁性:4800A/m

耐衝撃性:5000Gs

ケース幅:42ミリ

ケース厚:13.25ミリ

ケース素材:ステンレススチール

逆回転防止セラミックベゼル